恋、涙 …

哀 side kazuma




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「カズ〜、ここ教えて?」



葉月と付き合い出して2年。
俺たちは高校3年生になった。



大好きだった部活も引退して、今は受験勉強一色の日々を送っている。



「あぁ?…こんなの基礎中の基礎だぞ。お前、これがわかんないで受験本当に大丈夫なのかよ?」



葉月はお世辞にも成績が良い方とは言えず、最初の頃は驚いた。



外見じゃ…
勉強出来そうなのに─



「ひどい〜!私だって頑張ってるのに…」



「はいはい…」



俺は葉月に、自分がいつも使っている数学の参考書を差し出した。



「それ、わかりやすいから貸してやる。読んだら葉月でも理解出来るはず。」



「私でもって何?も〜!カズはいっつも私をバカにしてる…」



怒って頬を膨らます葉月を見ながら、俺は笑った。



この時は…
まだ幸せだった─









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