恋、涙 …



「俺は兄貴とは違うの。」



「兄貴って、響輝さんか。あぁ…昔言ってたな。相当なプレイボーイなんだっけ?」



まぁな…



でも今は社会人になって、結構真面目に付き合ってる人がいるそうだ。



また俺にも紹介してくれると、兄貴は言ってた。



これで兄貴の彼女紹介は何回目になるだろうな…



もう最後にして欲しい─



「でさ、お前はなんで彼女と喧嘩したんだよ?」



「あ、あぁ…俺がさ、大学の後輩と話してる所を見たってだけで、俺が浮気したとか言うから…ちょっと言い合いになってな。」



別に恭平とその後輩は疚しい関係ではなく、単なる彼女の勘違いらしい。



「じゃあ、なんでここ来たんだよ?彼女にちゃんと話せばいいじゃねぇか。」



「言う前に追い出されたんだよ…弁解の仕様もなかったって訳。」



恭平はそう言うと、ソファーに寝転んで目を閉じた。



「あぁ…面倒くせぇ。」








< 98 / 293 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop