恋、涙 …
「俺は兄貴とは違うの。」
「兄貴って、響輝さんか。あぁ…昔言ってたな。相当なプレイボーイなんだっけ?」
まぁな…
でも今は社会人になって、結構真面目に付き合ってる人がいるそうだ。
また俺にも紹介してくれると、兄貴は言ってた。
これで兄貴の彼女紹介は何回目になるだろうな…
もう最後にして欲しい─
「でさ、お前はなんで彼女と喧嘩したんだよ?」
「あ、あぁ…俺がさ、大学の後輩と話してる所を見たってだけで、俺が浮気したとか言うから…ちょっと言い合いになってな。」
別に恭平とその後輩は疚しい関係ではなく、単なる彼女の勘違いらしい。
「じゃあ、なんでここ来たんだよ?彼女にちゃんと話せばいいじゃねぇか。」
「言う前に追い出されたんだよ…弁解の仕様もなかったって訳。」
恭平はそう言うと、ソファーに寝転んで目を閉じた。
「あぁ…面倒くせぇ。」