恋歌Heart
「千景ちゃーん。俺に勝とうだなんて百億万年早いわァァ!」

なんて言って覆いかぶさってきた。

ちょっ…このバカ!

「さぁ、どうする?二択あるぞ。1、俺と楽しい一日を過ごす。2、学校に行く」

どっちも嫌。面倒だし。

よし。

「分かった。3の寝る…」

「3なんてねぇだろーが!いつ言った?ねぇ、俺いつ言ったかなぁ?!」

あーウザイ。朝っぱらから何なんだよ。
あたしが寝た時間は3時だからな?

「つーかくだらない理由で教師なったあんたに、どうこう言われる筋合いなんてないし」

命令すんなっつてんの。
それにね、あんたの彼女のことについてもあたしは知ってる。

「お前、ちゃんと聞けよ。俺が教師になった理由はぁ…」


市瀬はベッドの隣にあるテーブルを見つめて固まった。

「…あんたが好きになった女って、この子とあたしの母親でしょ?」


そこには写真立てがある。写真はあたしとあたしの親友が写ってる写真。

昨日、彼女と言ってた女は…小さい頃からのあたしの親友。美恵子っていう名前で女らしくておもしろくて、とても気が合った友達だった。美恵子は教師が好きらしく、色んな教師についての話をたくさんした。


そんな美恵子に嬉しいことが起きた。中3のとき、美恵子が言った。


「彼氏できたよ!高校の教師なんだけどね」


とても幸せそうであたしも自分のことのように嬉しく思えた。
















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