恋歌Heart
「あの日はっ…脅されたんだよ。中学生だった美恵子のことを」

あの女が?

「美恵子の将来はないって言われて…どーしたらいいか分かんなくてよ…」

あの女が…美恵子を殺した?
こいつじゃなくてあいつが?

「どーいうことだよ」

「私を抱けって」

さすが汚い女だ。許さねぇ。でもこいつも許さない。
葬式にも来なかったヤツだ。連絡はあったはず。

「葬式…」

「途中まで、家の近くまでしか行けなかった」


そう言ってベッドに座った。俯いて髪をぐしゃぐしゃにした。


「なぁ、あんた…あの女とどこで知り合った?」

「美恵子と出会う前…合コンで」


合コン…確かいつだったか首にキスマークがあった。あの男じゃないってことは分かった。あの夫婦には愛なんてない。形だけの夫婦だ。


「お前学校行けよ。あたしはボス退治してくっから」


「俺も行く。学校なんざどーでもいい」

教師の言うことかよ。でも、まぁ…ボス退治にはちょうどいいや。




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