恋歌Heart

ボス退治。

市瀬のバイクに乗ってふたりでボス退治に向かった。

まずは…女の居場所知るためにあいつんとこ行かないと。


大きなビルの前であたしは覚悟を決めた。

中に入ろうとすると警備員があたし達に話しかけてきた。

「ご用件は?」

「殴りに来た」

警備員がポカーンとしている間にあたし達は中へと早足で入る。
色んなヤツらがあたしらを見る。

エレベーターに乗って最上階…50階に向かう。

「お前ん家、金持ち?」

「さぁな」

しばらくして50階に着いた。あたしは憎しみだけを抱いてひとつの扉を蹴った。
勢いよく開いた扉の向こうには驚いている秘書とあの男。抱き合っていたから、きっとこいつも遊ばれてる女。


「千景…どうして」

「あの女の居場所聞きにきた」

用件はそれだけ。聞けばすぐに帰ってやるから。
あたしは睨んだ。昔から最低で女遊びの激しかった…親父だった。

認めたくない。こんなヤツがあたしの親だということが。


「ここにいる…」

紙に書かれた地図を渡してきた。あたしは奪い取って帰ろうとした。
するとあいつが言った。

「帰ってこないか?」

「汚れたあんたらと飯でも食おうって?ふざけんな」

あたしには家族なんていらない。友達も…もう二度といらない。生涯、美恵子だけでいい。

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