恋歌Heart
「…あんたが死ねば良かったのにね」

「千景!」

「あたしはあんたを許さない。覚えとけよ、これからあたしはあんたを憎む」


こいつを殴った。
一発殴った。

ずっと溜め込んできた思いをこの一発で。

「ち…千景ぇ!」

あたしは市瀬の腕を引っ張って外に出た。

「いいのか?」

「もっと殴れば良かった」

「いや、違う。殴って良かったのか?」

「当たり前じゃん」

殴っても蹴っても良かった。
ただそれだけ。

生きる価値もないヤツだし。


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