マンガor男子
きづくとき。
「きゃあぁぁぁッ!!

めっちゃかっこいい!!!!

この銀色の長髪ッ!!

有り得へんん〜」

またやってる。

こいつはアニヲタの若宮。

さっき買ったんであろうマンガを片手に叫んでる。

きっと好きなキャラでも出てきたんだろう。

そしてここは俺が通う塾。

うちの中学に通ってるやつだけの、こぢんまりした、居心地のいい場所。

とても自由なとこで、宿題をやってる日もしばしば。

「おーし、席着け〜。

ぅん?今日は新入りがおるんやけど、まだおらんねんなぁ?」

「新入りッ!?

先生、その子ってカッコいい?!」

その言葉に一番に反応したのは、彼氏募集中の大崎。

いつもは冷静なくせに、こういう時だけ、敏感やな、。

「え〜、新入り?

男、女?

ってか席無いやん。」

こいつはちょっと前から入って来た、井口。

やたらと男子の悪口を言う。

目の前で堂々と、しかも俺らに向かって。

困ったやつ。

「私は静かな子がえぇわ。

男でも女でも。」

天然入ってるらしい、田辺。

一番正当な意見ですね。

俺の中では。

「ふ〜ん、新入りかぁ。

沙羅はとにかくアニヲタ仲間が欲しいなぁ〜。」

ぃや、コイツが一番困ったやつだ。

マンガマンガマンガ。

それしか無いのかお前の中はッ!!

…と思うと、俺の前の席では、せっせと春田が宿題してる。

お前は新入りと言う普通飛び付くネタでもシカトかよッ!!

ガタガタ

「ちょっ、やめろよ蓮ッ!!」
「はぁ、お前から仕掛けて来たんやろ?」

ごちゃごちゃしてんな!!

蓮太、誠!!

お前らはまず、人の話を聞けッ!!
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