COLORS【黄】パープルA─黄昏の明日へ─
未来へ
 さっきの男とは違う男が後ろで俺たちを狙っている。

「俺があいつの注意を引きつけるから、お前はその隙に雨宮を追え!!いいな」

「OK!」


「何ぶつぶつ言っているんだ?念仏か?」



「念仏を唱えなきゃならないのはお前の方だ!」
こんなピンチはいくつも乗り越えてきたんだよ。

「くそっ!!いつの間に後ろに。お前は一体……何者なんだ?」

「教えてやろうか?……俺たちはパープルA!!警視庁の秘密組織さ」

「パ……パープル……A……」

はい。一丁上がり!!
男は首の後ろを叩かれそのまま気絶してしまった。




「観念しなさい!!雨宮!!もう逃げ場はなくてよ」
倉庫の隅に追いつめると藍は言った。

「フフフ……元気のよいお嬢さんだ」

「ただのお嬢さんだと思ったら大間違いよ」

「何だと?」

藍も跳び蹴りを喰らわすと彼は一瞬で地べたに這い蹲った。

「……お前は一体何者なんだ……?」

「いいわ、最後に教えてあげる。私たちはパープルAよ」

「パープル……A……」



「藍~っっ!!」
どうやら無事みたいだな。
彼女の横にはさっきおっさんが倒れている。

「廉!!」

「雨宮は?」

「この通り!!今回も任務完了だね!!」

「……そうだな」

途中、藍のヘマがあったりもしたけど任務を無事に終えることができた。

俺たちは早速、警察に報告し雨宮とその手下を逮捕してもらい、『人魚の涙』も美術館に返却された。
もちろん翠ちゃんに本当のことは言ってない。

バレた時、俺たちは終わる――、

覚悟はできていた。
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