COLORS【黄】パープルA─黄昏の明日へ─
嘘と真実
『麻美、自分が何をしているのか分かってるのか?』
『勿論よ。もう私にはこれしかないの』
『これしか……ない?』
『お金が必要なの……大金が。母親の命を救うために』
聞けば麻美の母親は心臓の病で手術をしなければならず、それには大金がかかる……と。
父親とは五年前に離婚していたことも話してくれた。
『例え、廉君が協力してくれなくても私一人でやるわ』
『……分かったよ。その代わりこれきりだからな』
『ありがとう』
なんて、安易に答えてしまった俺。
これでよかったのかなぁ……。
パープルAという立場がこんなも重々しくて、かったるく感じたのは初めてかもしれない。
藍にも本当のことを言えないままでいる自分が情けなくも感じる。
暫くの間、湯船に浸かりそんなことをぼんやりと考えていた。
『勿論よ。もう私にはこれしかないの』
『これしか……ない?』
『お金が必要なの……大金が。母親の命を救うために』
聞けば麻美の母親は心臓の病で手術をしなければならず、それには大金がかかる……と。
父親とは五年前に離婚していたことも話してくれた。
『例え、廉君が協力してくれなくても私一人でやるわ』
『……分かったよ。その代わりこれきりだからな』
『ありがとう』
なんて、安易に答えてしまった俺。
これでよかったのかなぁ……。
パープルAという立場がこんなも重々しくて、かったるく感じたのは初めてかもしれない。
藍にも本当のことを言えないままでいる自分が情けなくも感じる。
暫くの間、湯船に浸かりそんなことをぼんやりと考えていた。