うたよみ
心地のよい日
なんにもない一日が過ぎてゆく。

なんでもない一日。

そんな日が、今日はとても居心地がいい。

仕事するわけでも、誰かと遊び歩くわけでもない一日。

少し冷たさを増してきた風に震えながら、溜まっていた雑務をこなし、一日の終わりを迎える。

あぁ、今日は僕にも見えてくるな。

なんでもない緑が、確かに息づいているような、そんな伊吹。

カプチーノから香るほのかなシナモン。

大気に満ちる光の粒子。

聞き慣れたミュージックの深い味わい。

静かな時間と心地よい疲労感。

その一つ一つが絡み合い、同じ次元の中で一つの調和を作り出す。

こんななんでもない一日が、なにものにも変えがたい一日だと知る。

秋の豊かな実りを久々に味わいました。

合掌。
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