さよなら、もう一人のわたし (修正前)
 あたしたちは暗くなる前にお店を出た。

 そして、その足で駅を向かう。

 デートといっても結局喫茶店でお茶を飲むだけのものだった。

 別に何かがあったわけでもなく、ただ幸せな時間を過ごしていたのだ。





 あたしは電車を降りた。そして、駅の前で彼と別れることになった。彼は家まで送ると言ってくれたが、あたしはそれを拒否していたのだ。

 あたしは別れると、そのまま歩き出そうとした。

 何となく空を見上げる。空には灰色の雲が広がっていた。もう青い空を望むことはできなかった。

 尚志さんと一緒にいるときはよかった。でも、一人になると急に寂しさと悲しさが襲う。

 これであたしの夢は終わったのかもしれないと思ったからだ。

 そう思うと、目頭が熱くなってきた。

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