さよなら、もう一人のわたし (修正前)
「あの二人を知っているの?」


「一応ね。彼女たちに会って、どうしたい?」


「女優っていろんな人の人生を演じられるから素敵だなって思っている。だって出ているドラマや映画の数だけ人生を演じられるんだよ?」


「そっか」
 千春は肩をすくめると、微笑んだ。


「あたしたちの事務所に来ない?」


「あたしたち?」


「あたしとあたしの兄がやっているの。従業員もほとんどいないけどね」


「なんであたし?」


 あたしは自分の顔を指差した。


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