さよなら、もう一人のわたし (修正前)
 千春の家はどこにでもありそうな洋風の一軒家だった。

でも一つだけ他の家にはあまり見られないものがあった。それは千春の家のリビングに入ったときに気付く。

 リビングにはビデオテープやDVDがたくさん並んでいた。

あたしは千春の許可を得て、それらのテープを確認する。

映画は多くのものを見ていた自信はあるが、あたしの知らない多くの映画があった。

「好きなのがあったら借りてもいいよ」

「本当に? ありがとう」

 あたしがビデオテープを探していると、扉が開いた。

扉をあけて入ってきたのは背の高い顔立ちの整った男性だった。

「千春。お前なあ」

「友達が来ているから説教なら後でにしてね。お兄ちゃん」

 千春に言われて私の存在に気付いたのか、彼の目が見開かれる。そして、彼は鋭い視線であたしを見ていた。
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