さよなら、もう一人のわたし (修正前)
「撮影は一年もかからないから終わって受けたかったら受けてみてもいいかもな。どの大学受けるつもりだったんだ? 君って結構成績いいんだよね?」

「尚志さんの後輩になるつもりでしたから」

 彼があたしの志望校に通っていたのは千春から聞いて知っていたのだ。

「そしたら、来年浮かれば俺の後輩だったんだ」

 なんか魅力的な言葉だった。でも叶わない夢になりそうだった。

「今、三年ですよね?」

 尚志さんは頷く。

「ということは来年受かれば一緒に通えたかも」

「そういえばそうだな。でも授業は一緒じゃないから、どうだろう。家も近いわけじゃないし」
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