さよなら、もう一人のわたし (修正前)
 あたしたちは何をしにきたのかと思うほどあっという間に大学を出ることになってしまった。

 あたしたちは大学の近くにあった喫茶店に入ることにした。

 お店の中に入り、泣き止んだものの、頭が働かないあたしの代わりに弘は適当に注文を済ませてくれていた。

 いつも単純なイメージしかなかった彼が意外とテキパキ行動してくれていた。

 彼は単純だけど、まっすぐで、人の心の痛みに敏感な人だ。

 さっきだって、本気で怒っていたのだろう。

 別に彼女でもないあたしのために。

 彼は自分のために怒ることはあまりない。

 でも、友達などが傷つけられるのをものすごく嫌うのだ。

 いつもそうだった。

 あたしの目の前に紅茶が運ばれてきた。

 あたしと彼は高校に入ってすぐに友達になった。


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