さよなら、もう一人のわたし (修正前)
 あたしもどうしてか分からないのだ。

 それはあたしを起用した以前になぜ、彼女たちがこの映画を撮ろうとしているのかだ。

 お金のためというわけではなさそうだった。

 お金のためなら権利だけ売ったり、どこかのプロダクションと組んだほうがいいような気がする。

 現にそれをほしがっているところもあったようだ。

 多分、売り出し方によったはお金になるのだろう。

 新人発掘のためでも個人で探すより大勢が所属しているプロダクションを当たったほうがいいのかもしれない。

 この映画にそこまで思いいれがあるという可能性はなくもない。

 でも、それなら千春が自分で出るはずだ。

 彼女が演じるのが一番いい。

 千春には思いいれがなく、伯父にだけ思いいれがある可能性はなくもないが、でもそれならどうして千春が伯父の手伝いをここまでするのだろうか。

 受験生なら自分の勉強を最優先にしたくてもおかしくはない。
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