さよなら、もう一人のわたし (修正前)
「疲れた」

 彼女はため息混じりにあたしを見た。

 彼女は呆れたような笑みを浮かべている。

「何変な顔をしているのよ」

「だって、すごいなって思って」

 あたしは素直な本心を告げた。

「あなたは女優になりたいのでしょう? それならこれくらいできないと論外よ」

 彼女の最もな言葉に反論できない。

「でも成宮さんは素人っぽくないよね? 発音もすごくいいし、表情だって」
「だってこいつは」

 千春は自分の兄の足を踏みつけた。
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