さよなら、もう一人のわたし (修正前)
 あたしはお節介と思いつつも簡単に散らばっている本や新聞を重ねておくことにした。

 そこまで散らかっているわけでもないので、随分とすっきりして見えた。

 杉田さんは寝息を立てて、眠っている。

 あたしはそんな彼の姿を見ていると、何だか嬉しくなって胸を撫で下ろしていた。

「子供みたい」

 彼のあどけない表情はそんな印象を与える。

 あたしは彼が起きて何か食べたいものがあったら作ろうと思い、彼が起きるのを待つことにした。
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