さよなら、もう一人のわたし (修正前)
 杉田さんは顔を赤くして、俯いていた。

「一応大学生なので」

「あ、ごめんなさいね。今日、大学は?」

「午前は授業が休みなので、今から行こうかと思っています」

 母親は頷く。

「そうね。あなたたちの話に嘘はないみたいだから。女の子の家に泊まったとか適当に嘘をつかれるよりまマシだと思うから」

「ありがとう」

 あたしは胸を撫で下ろす。

 杉田さんについてきてもらってよかった。

 あたしは彼を見た。

 彼も安心したのか表情を綻ばせていた。

「でも、今度から気をつけなさいよ。ちゃんと電話でもメールでもいいから連絡しなさい」

「分かった」

「彼とつきあっているの?」

「え?」

 あたしと杉田さんは同時に声を出した。
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