さよなら、もう一人のわたし (修正前)
 確かに彼は非の打ち所があまりないタイプだった。

 あたしの母親はげんきんな人なのかもしれない。

 もし、杉田さんがもう少し感じの悪い人だったらどうしたのだろうか。

 あたしはあまり考えないようにした。

 あたしは制服に着替えると杉田さんのいる部屋に行く。

「それ、高校の制服?」

 あたしは頷く。

「似合う?」

「似合うよ」

 彼にそんなことを言われると何だか恥ずかしくなってきた。

 きっと彼はそうやって女の子を勘違いさせるのだろう。

< 238 / 577 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop