さよなら、もう一人のわたし （修正前）

　自分でいった言葉に自分で傷ついて。

　周りの人は興味深々に見ている人もいたが、ほとんどの人があたしたちを気に留めることなく歩いていた。

　あたしは足早に歩き出す。

　そして、駅への道を急ぐために細い道に入ったときだった。

　そのとき、あたしの体を温かいものが包み込む。

　杉田さんがあたしを抱きしめたと気づくのに時間はかからなかった。

「杉田……さん？」

「僕の前では無理に笑わなくていい」

　あたしは笑顔を浮かべるのを止めた。

　そして、杉田さんの言葉を聞き入ることにした。

「でも」

「僕は君のことが好きだから、無理に笑っているのを見ていたくない」