さよなら、もう一人のわたし (修正前)
 あたしたちは別荘の中に入った。

 中に入ってあたしは言葉を失う。

 外から見たときも見当はついていたものの、とにかく広いのだ。

 部屋は二十は軽くありそうだった。

 これが安いのか高いのか分からなかった。

 あたしの部屋は二階の一番奥の部屋だった。成宮秀樹の部屋はそこから四部屋離れた部屋だった。ちなみに木下さんはあたしの隣の部屋だった。

 あたしは自分の部屋に入ると、まず、窓を開けた。

 部屋の中には蒸したような空気が広がっている。

 窓を開けると、涼しい風が部屋の中に入ってきた。

 その風を全身で浴びたくて目を閉じた。

 ここでついに映画の撮影が始まるのかと思うと、感慨深かった。
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