さよなら、もう一人のわたし (修正前)
「はい。でも三人で食べられるかな」

 あたしはお皿に山盛りになったハンバーグを見て、そんな言葉を漏らした。

 加減というのがある気がするけど。

「君は若いし大丈夫だろう?」

 明日なら分かるが、この人数でこの量はどうかと思う。

 あたしは少食ではないけれど、あたしくらいの年だと少食の人も多いのだ。

 しかし、彼の身近にいるあたしと同じ年頃の子が千春というのもいけないのかもしれない。

 彼女は細身で太りにくい体質のようだ。

「でも、料理できるんですね」

 実は家事全般が好きな人なのかもしれない。

「一人身だからね。これくらいできないと」

「そうですね」

 どうして彼は結婚をしなかったのだろうか。
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