さよなら、もう一人のわたし (修正前)
 先に杉田さんに聞いておくことにした。

「撮影場所を見に行かない? 地図もらったの」

 学校でのシーンはスケジュールの都合からなのか極力抑えているようだった。

 ほとんどがこの景色を背景に撮ることになる。

「いいよ。明日かな」

「そうだね。もう今日は遅いし」

 もう直ぐ夜になる。

 街灯の少ないこの地ではうろつくのは気が引けた。

 多分治安はものすごくいいところだとは思うけど。

「それで僕はどこを使えばいい?」

「杉田さんはあたしと監督の部屋の間の部屋。藤井さんはその隣だよ」

 藤井というのは杉田さんのマネージャーだった。
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