さよなら、もう一人のわたし (修正前)
 千春は目を細めて、綺麗な笑顔を浮かべていた。

 あたしや兄に微笑みかけるときとは全く違う笑顔だった。

 弘は変な声を出すと、そのまま教室の中に消えていく。

 よほど彼にとって千春は好みだったのだろうか。

「変な人ね」

 千春は不思議そうに首をかしげる。

「悪い人ではないのよ」

 あたしは一応彼のフォローをしておいた。

「それは見ていたら分かるけどね」

 彼女は肩をすくめると、あたしの肩を叩いた。

「じゃね」

 彼女はそのまま自分の教室に戻っていく。
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