さよなら、もう一人のわたし (修正前)
 あたしが教室の中に入ると、弘は案の定あたしの席のすぐ近くにいた。

「彼女、恋愛に興味ないってさ」

 あたしはそう言うと、席に座った。

「名前は?」

「成宮千春」

「誕生日は?」

「知らない」

「家とかは?」

「知っているけど、教えられるわけないでしょう?」

 あたしは苦笑いを浮かべて、弘を見た。

「確かに、な」

 彼も答えを期待しているわけではなかったのだろう。苦笑いを浮かべながら返事をしていた。

 そのとき英語の教師が教室内に入ってきた。今から朝の補習だった。
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