さよなら、もう一人のわたし (修正前)
「完璧主義者か」

 それはなんとなく分からないでもない。

「ちょっと暑いな。冷房強くしようか」

「あたしがするよ」

 リモコンはあたしの目と鼻の先にあった。

 尚志さんが押すよりあたしが押したほうが早い。

 そう言って近くにあるリモコンを押すために腰を上げた。

 そしてテーブルのすみにあるリモコンに触れた。

 気温を二度ほど下げる。

 あたしが振り返ると、尚志さんはあたしから目をそらす。

 もしかして穴でも開いていたんだろうか。

 あたしが短パンに触れたときだった。

 さっきは乾燥していた短パンが少し湿っているのが分かる。

 あたしはすぐに原因が分かった。

 そう。原因は濡れたままだった下着だ。

 しかし、彼にそんなことはいい出せず、そのまま履いていたのだが、それが裏目に出たようだった。
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