さよなら、もう一人のわたし (修正前)
第三十九章 危難
暗闇の中、高い音が鳴り響く。あたしは枕元に置いているはずの携帯に手を伸ばす。その携帯の発信者はあたしの祖母だった。
彼女があたしに電話をしてくることは珍しい。
「もしもし?」
「京香ちゃん、今、どこにいるの?」
「え? 今?」
あたしは答えにつまる。
母親と約束して祖父母にも黙っていることになったからだ。だから、万が一知られることになったときはこういうと約束をしていたのだ。
「友達の家」
「その家は遠いの?」
「遠い」
電話の向こうからため息が聞こえてきた。
「何かあったの?」
「たいしたことじゃないけど、あの子が由紀子が倒れたらしくて」
「倒れたって?」
あたしの顔から血の気が引くのが分かった。
彼女があたしに電話をしてくることは珍しい。
「もしもし?」
「京香ちゃん、今、どこにいるの?」
「え? 今?」
あたしは答えにつまる。
母親と約束して祖父母にも黙っていることになったからだ。だから、万が一知られることになったときはこういうと約束をしていたのだ。
「友達の家」
「その家は遠いの?」
「遠い」
電話の向こうからため息が聞こえてきた。
「何かあったの?」
「たいしたことじゃないけど、あの子が由紀子が倒れたらしくて」
「倒れたって?」
あたしの顔から血の気が引くのが分かった。