さよなら、もう一人のわたし （修正前）
「それを言い出したらループだから。あたしは京香が嫌じゃないなら、京香にお姉ちゃんになってほしいんだから、それでいいの」

　彼女らしい強引で強気な言葉だった。

　あたしは彼女にも何度も支えられた。

　彼女は自分がどれほどあたしを支えてくれたかも実感がないのだろう。

　杉田さんと同じように、彼女がいたからあたしは頑張れたのだ。

　それが分かっていた。

「きっとあんな変人を好きでいてくれるのは京香くらいだと思うから」

　あたしたちはしばらく走り続けた。

　その彼女の車がワンルームのマンションの前で停まる。

「行こうか」

　千春がそう微笑んだ。

　あたしは唇を噛み締めると、口を開いた。

「一人で行くよ」

　きっと千春は全て話をしてくれるだろう。

　あたしが説明するよりも丁寧に分かりやすく。

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