さよなら、もう一人のわたし (修正前)
「新しい生活はどう?」

「少しずつ慣れてきたよ」

「そういえば髪を切ったって聞いたけど」

「ショートカットにした。そこまで切ったのは小学生以来だよ」

 髪の毛を切った理由は気分転換というよりイメチェンをするためだった。

 しかし、童顔のあたしは髪の毛を切って激しく後悔した。

 髪の毛を切る前よりもかなり幼く見えたからだ。

「似合っているだろうね」

「女子高生みたいに見えるよ」

「高校卒業してそんなに変わってないから、そんなものじゃない?」

 彼は無意識にだろうが、痛いところをついてくる。

「じゃあ、今度、写真を送っておくから見ておいてよ」

「分かった」

 杉田さんが電話機の向こうで笑うのが分かった。
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