さよなら、もう一人のわたし (修正前)
 それだけ二人が仲がよかったということではないのだろうか。

 あたしは首をかしげる。

 あたしはアルバムを捲った。

 次のページにはハイハイをしている赤ちゃんの写真があった。なんとなく千春ではないなと感じる。そうなると尚志さんだろうか。

 そのすぐ後には幼稚園くらいのむすっとした顔の男の子が立っている写真がある。

 まるで写真を写している人を睨んでいるようだった、

「千春?」

 そのときあたしのいる部屋の扉が開いた。

 部屋の中に入ってきたのは尚志だった。

「どうして君が?」

 彼の見開かれた瞳があたしの手元にあるアルバムを見る。
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