さよなら、もう一人のわたし (修正前)
「開店休業状態」

「は?」

 あたしは予想もしていなかった言葉に首をかしげる。

「伯父が映画を撮るときだけ人を集めるように使う感じだから、普段はすることもないんだよな。電話は大抵は伯父が取るし、取れないときは俺の携帯に転送しておけば問題ないし」

「そういえば大学生でしたよね?」

「そうそう。でも人を雇う必要もないから便宜上俺がなっているだけだからね」

 めちゃくちゃいい加減な話のような気がしないでもない。

 しかし、彼もやりたくてやっているわけでもないのだろう。

 あたしは小さな平屋のような事務所をイメージしていた。

 そのとき、あたしの体を覆うような大きな影が目の前に現れた。

 あたしは思わず見上げた。
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