さよなら、もう一人のわたし (修正前)
「成宮?」

 そう言うと、真田美紀は眉間にシワを寄せた。

「真田さん?」

 私は気になって、彼女の名前を呼んだ。

「確か転校生だよね。五組の子」

「五組か。ありがとう」

 私がお礼を言うと、美紀はどういたしましてと言った。


 あたしが教室を出ようとしたとき、教室の外に女の子が立っているのに気付く。

 成宮千春だった。

 千春は右手を挙げて、あたしに挨拶をする。
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