さよなら、もう一人のわたし (修正前)
 尚志さんが扉を開ける。

 そこは眩しいほどの明かりがついていた。

「伯父さん、尚志だけど」

 尚志さんが声を上げる。

「おー、こっちだ。こっち」

 やけに明るい声が部屋の奥から聞こえてきた。

「ちょっと待っていて」

 尚志さんはそう言い残すと部屋の奥に消えていく。

 あたしは辺りを見渡した。

 入り口付近にはスチール製の壁があり、どこかのオフィスのようだった。掃除が好きだという話も納得できるほど、綺麗に整理されていた。

 奥の部屋を覗きこみたい衝動に駆れたが一応我慢をする。

 尚志さんが戻ってきた。

「奥に来てもらえる?」

 あたしは足を踏み入れる。
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