さよなら、もう一人のわたし (修正前)
「声をかけてくれればよかったのに」


 千春は「ちょっとね」というと歩き出した。


 あたしも彼女のあとについていく。


 千春は一言も話をしようとしない。


 やっと口を開いたのは、学校の門をくぐった後だった。


「あなたは女優になりたいの?」


「うん」


 あたしは即答する。


「どうして? 注目を浴びたい? 大金を稼げそう? 他には」


「会いたい人がいるの」


 千春はその言葉にああ、と呆れたように微笑む。


「アイドル? そういう子多いよね」


「違うの」


 あたしは首を横に振る。
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