産まれた我が子
第4章
あれから何事も
無かったように
先生とは話をしていない。

当たり前の事。

昔の事を思い出す事も
したくなかった。

ある日の事。

「スミマセン。」

「何ですか?」

先生が私に話掛けてきた。

「お時間頂きたい。」

「何も話す事はありません。」

「いいえ。あります。」

「先生にあっても
私にはありません。」

私は帰ろうとした時
先生は私の腕を持って
抱きしめた。

私は震えが止まらず
叫びたかったけど
声が出なかった。

「僕を結ちゃんの
パパにして下さい。」

「何言っているの?
誰の子か分からない子の
父親になれるのですか!!」

私はやっと声が出た。
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