産まれた我が子
家にどの様に帰ったのか
分からなかった。

玄関を開けると
母の顔色が変わった。

「風呂に入らせて!!」

私は大声を上げて
風呂場に入った。

何分?何時間?
入っていたか分からない。

何度も何度も体を洗い
皮がめくれるくらいに
洗っていた。

風呂場から出てくると
母は私を抱きしめた。

私は子供の様に初めて
大声を上げて泣いた。

私には勉強の出来る
姉と兄がいた。

両親は姉と兄を可愛がって
私はあまり抱きしめて
貰った経験がない。

母に甘える事が
出来なかった。

< 5 / 27 >

この作品をシェア

pagetop