皮肉と剣と、そして俺Ⅱ


ようやく最後の一口を放り込んだ後、父はエイダを見て語りかけるように言った。


「本当に、マリーによく似てきた。
一一エイダ。俺の話を聞いてくれるか?」


父の瞳はエイダの瞳を捉えて放さず、声音はひどく温かくて優しい。


昔を思い起こさせるような声にエイダは目を閉じ、首を縦に振った。








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