皮肉と剣と、そして俺Ⅱ
ずっと部屋を開けていたからか、いくらか室内も空気が冷たいが、外の廊下よりは大分ましだった。
暖炉に火をつけエイダは外套を脱いだ。
ナオトは我が物顔でソファに座っていて、エイダは溜め息を漏らす。
中佐の部屋で許可なく勝手に座ったのは、今までもこれからもナオトだけであろう。
「それで。その様子だと親父さんと仲直り出来たんだ?」
ナオト同様、ソファに身を沈めたエイダは突然降ってきた言葉に目を見開いた。
ナオトには言っていないはずなのに、どうして?
瞬時に頭を駆け巡った疑問はナオトに見透かされていたようで、ナオトは口元を歪めた。