皮肉と剣と、そして俺Ⅱ


「俺が気付かないとでも思った?エイダの様子見てれば親父さんと不仲なことくらい、分かるよ」


至極当然といった顔で笑う。

それほどに自分は分かりやすかっただろうかと、エイダは本気で心配になった。


「ま、まあ。シュークリームのおかげもあって…」

「シュークリームね。そういえば俺にはないの?」


どもりながら言うと、すかさず飛んでくる言葉。

あるわけないだろう。

そう言ったらナオトが眉をひそめた。


「なんで?」

「あれは父様のために作ったものだから」


今度はエイダが至極当然といった顔で話す番だった。

ナオトは困ったように肩をすくめ、より深くソファに身を沈めた。


「あーあ。
みんなに呼ばれたパーティーを蹴ってまでシュークリーム作りに付き合ってあげたのに」



< 40 / 56 >

この作品をシェア

pagetop