皮肉と剣と、そして俺Ⅱ
「俺が気付かないとでも思った?エイダの様子見てれば親父さんと不仲なことくらい、分かるよ」
至極当然といった顔で笑う。
それほどに自分は分かりやすかっただろうかと、エイダは本気で心配になった。
「ま、まあ。シュークリームのおかげもあって…」
「シュークリームね。そういえば俺にはないの?」
どもりながら言うと、すかさず飛んでくる言葉。
あるわけないだろう。
そう言ったらナオトが眉をひそめた。
「なんで?」
「あれは父様のために作ったものだから」
今度はエイダが至極当然といった顔で話す番だった。
ナオトは困ったように肩をすくめ、より深くソファに身を沈めた。
「あーあ。
みんなに呼ばれたパーティーを蹴ってまでシュークリーム作りに付き合ってあげたのに」