皮肉と剣と、そして俺Ⅱ


「その、なんだ。
せっかくのクリスマスだからお礼、してやってもいい…ぞ?」


エイダが決死の覚悟でつっかえつっかえ紡いだ言葉は、ナオトの考えから大幅に逸れていて、ナオトは驚倒しながらエイダを見た。

まさか、この素直じゃないと評判の中佐からこんな言葉が聞ける日が来るとは欠片も思っていなかっただけに、ナオトの驚きようは凄まじい。


それはどういう意味だ、と思わず聞き返してしまったほどだ。


「手伝って貰っていながら、お礼をしないというのが私は許せないだけだ。
シュークリームは無いが、それ以外で私が出来る事なら何でもする」


腕を組んで勢い良く話し出す。

どうやら恩を返さなければ、エイダの気が収まらないらしい。



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