皮肉と剣と、そして俺Ⅱ
だがそんなエイダに反して、ナオトは最後に言われた何でも、という部分に意識を持ってかれていた。
何でもというのは、本当に何でも?
「何でもってどんな事でも良いわけ?」
そう問うと、「言った通りだ。このエイダに二言は無い」と自信満々に返された。
その光景が、何故か幼い子供と重なってナオトは笑いを堪えるのに必死だった。
笑いを堪える姿がエイダには含み笑いに見えたのだろう。
そっぽを向いて、拗ねている。
その姿さえもナオトには可愛く思えて、ナオトは今度こそ笑った。
自分は何を求めているのだろう?
ずっと頭に流れていた疑問。
その答えがやっと出た。自信を持って宣言出来る答えが。
「エイダ。こっち向いて」
出来るだけ優しい声になるよう気をつけて言葉を紡ぐ。
エイダは直ぐにこちらを向いたものの、身体は強ばっているようだった。