皮肉と剣と、そして俺Ⅱ
その時、エイダが動いたのを視界に入れ、ナオトはそちらを向く。
顔を上げたとき既に、エイダがナオトの隣に居て驚愕した。
だがその驚愕など序の口。
次の瞬間、ナオトは自身の額に熱を感じた。
直ぐに離れていったそれは、ナオトの肌に熱い余韻を残す。
エイダを見ると、顔を真っ赤に染め上げて視線をあちらこちらにさ迷わせていた。
「これでお礼はしたからな!」
勢い良くまくし立てたエイダは何故かドアへと全力疾走を始めていて、ナオトは慌てて腕を取った。