皮肉と剣と、そして俺Ⅱ


言った瞬間、エイダが固まった。だがナオトは構わず続きを紡ぐ。


「クリスマス・イヴに呼び出されたから、エイダはその気があるのかと思った」


そう。

昨日呼び出された時、ナオトは発狂しそうな勢いだった。
決して表には出さないが心底浮かれていた。

だから。


先程から固まっていたエイダにナオトをとどめを刺した。


「俺はエイダのこと友達とは思ってないよ」


そして掴んでいた腕を一気に引き寄せ、痛くない程度の力で抱きしめた。

微動だにしないエイダに、ナオトは自分の言わんとしている事が伝わったのだと確信した。




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