皮肉と剣と、そして俺Ⅱ


それから視線を移動させると、何が何だか分からないといった表情で立ち尽くしているエイダが目に入った。

ナオトは大きく破顔し、エイダに駆け寄る。


こんなに自分は満たされていて良いのだろうかと問うが、答えは無い。

この幸せを手放したくないという希望を込めた視線を窓の外へと投げる。


一点の曇りもなく街を照らしている陽光。
風に揺らされ、静かに踊っている木々。
街の中を楽しそうに走り回っている子供達。
そして子供達を穏やかな表情で見守っている親達。


目に付いたもの全てが輝いてみえて、ナオトは密かに笑みを零した。



またひとつ、大切なものが増えた一一。






一Fin





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