皮肉と剣と、そして俺Ⅱ


エイダは父の事は話したがらないし、そんな少ない情報の中でプレゼントを選べという方が酷である。

とりあえず普段身につける物であれば、好みに関わらず使ってくれるだろうという予想のもと、今日はこうして街に足を運んでいる訳だ。


以前に一度だけ見た顔を頭に思い浮かべ、目に付いた物を手当たり次第に取っていく。

しかし色や形が頭の映像とマッチしないので、持ち上げた手を降ろすこととなる。

それを今までに何十回と繰り返したが、いまいちしっくりくるものが無いため、ナオトはお手上げ状態だったのだ。


おまけに体力は使うわで、ナオトは先程から溜め息しか吐いていない始末である。


何か良い物は無いのかと、周りを見渡した時、横からエイダの弾んだ声が聞こえた。



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