皮肉と剣と、そして俺Ⅱ


「ナオト!これなんかどうだ?」


ナオトが居た店から少し離れた場所に位置している店からエイダがひょっこりと顔を出して呼んでいた。


何事だと足を運べば、そこには何故か誇らしげに立っているエイダがいて、その手には"何か"が握られている。

その"何か"とは。


どうやらマフラーのような物だった。

ここで何と呼ぶかは定かではないが、ナオトが暮らしていた現代では間違いなくマフラーと称される代物だ。


ただ、そのマフラー、そんじょそこらにある物ではなかった。

目が焼けるのではないかと思う程のショッキングピンクの下地に、これまた鮮やかすぎるオレンジで刺繍がされていた。

マフラーの両端には青々しい深緑の線が二本入っていて、ある意味目を引く。


はっきりいうと、趣味が悪いの一言に尽きる。




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