LIFE LINE
ついでに言うと“ケンちゃん”は愛の彼氏ではない。

愛をネコと呼ぶ、時々家にくる男の子。









『ただいまぁ』

『………おかえり。』




愛のママは飲み屋のママをやっていて、いつもフラフラになって家に帰ってくる。




『ご飯つくっとくから、お風呂入ってきなよ。』







愛はいつもママにご飯を作る。
愛とママがこの家で顔を合わせるのはこの瞬間だけ。


ここ2、3年…
2人はお互いの顔を見ていないのではないだろうか…










愛は冷たい。





お母さんに向ける瞳。




“ケンちゃん”その他諸々の男の子に向ける瞳。


彼氏に向ける瞳すらも。








目がビー玉みたいになる。









だけど1人だけ違うんだ。


僕はそれを知っちゃったんだ。
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