しばらく私はボーっとしていました。

その時、肩に暖かい物が感じられ、後ろを振り向くと

私と同じで傘も何にも持ってない男の人がいました。

一瞬ドキッとしましたが、気のせいだと思いこみ、その男の人に私は話しかけました。

『何か、ごようですか・・・?』

その男の人はニッコリ笑い、私にこう言った。

『傘、ないんでしょ?僕の貸してあげるよ。返すのは、また・・いつか僕と君が出会った時』

そう、私に言い残して去っていった。私はその人の後姿を、ずっと・・ずっと見ていた。



< 2 / 5 >

この作品をシェア

pagetop