オコサマ恋愛


「お兄ちゃん、お母さんは?」


「あぁ、なんか友達と南の島でパーティー♪とか言ってたぞ」


お母さんは、テンションが高くてよく友達とショッピングとか旅行とかに行って、お父さんも呆れてる。



「ふぅん。そういえば、瑛都泊まりに来ないの?」



いつも、お母さんがいないときは瑛都が泊まりに来る。

お父さんも今は単身赴任中だから、バカ騒ぎするのには丁度いいのだろう。



「あぁ、瑛都か?今日は来ないよ。」


「えっ!!?なんで?」



瑛都が泊まりに来ないなんて、すっごく珍しい。

そして、次の言葉で私は固まった。



「あいつ、とうとう本命の彼女作ったんだよ!!今日は泊まりだから、行けねぇ!って張り切ってたしな!!」




えっ・・・?




いつも、どこかで安心してた。

瑛都には本命の彼女が出来ないから、少しは希望があるんじゃないかって本当は思ってた。


諦めたなんて、嘘。

本当はッ本当は・・・


そう思うとドンドン自分が惨めになってきて・・・。



気づいたら、家を飛び出していた。


< 10 / 14 >

この作品をシェア

pagetop